難関校対策⑥(中学受験)
第六章 整理力
整理力とは、何か。複雑な問題に対して、効率良く整理して考えられる力の事を言います。また、問題を解く上で、場合を分けて考える能力の事を言います。
例えば、具体的な問題で考えていきましょう。
1.2.3.4.5の数字が書かれた5枚のカードがあります。この中から3枚のカードを使って、3桁の数字を作ります。3の倍数は何通り出来るでしょうか。
答え
3の倍数は、全ての桁を足して3で割り切れるものを言います。
よって、
(1.2.3)(1.3.5)(2.3.4)(3.4.5)の4つの組み合わせがあります。
全ての場合において、6通りずつありますから、4×6=24通り が答えとなります。
この問題は、24通り全て書き出していたら大変です。このように、整理して、考えていくことが重要なのです。
整理・場合分けの考え方は、論理的思考力とも関係があります。ですので、読解力・思考力を高めながら、これらの問題で慣れていくことが必要です。
難関校対策⑤(中学受験)
第五章 雑学力
雑学力と書きましたが、これは算数以外に必要な力であろうと思います。中学受験は、算数が重要といえど、他の科目を疎かにして良いわけではありません。
雑学力とは何か。算数以外の各科目での具体例を記したいと思います。
国語
ことわざ、四字熟語、慣用句の知識
難しい漢字(例えば、魚へんの漢字を極めている、難読語を極めている、など)
新聞、テレビのニュース
理科
自然観察(植物の季節や、花びらの枚数、動物の足や手、虫の季節、星座の名前、など)
身の回りのこと(湯気の出る仕組み、はさみの仕組み、サイレンの音が大きくなったら小さくなったりすること、雨が降る仕組みなど)
実験
社会
データ系(都道府県の面積と人口、都市別の人口、都道府県別果物の生産順位など)
都道府県別の特徴(ある県の特徴を受験に出る出ないに関わらず、どれだけ知っているか)
歴史上の人物(例えば、織田信長について、受験に出る出ないに関わらず、どれだけ知っているか)
スポーツの知識(プロ野球やJリーグの本拠地、サッカーワールドカップの開催地など)
新聞、テレビのニュース
これらはあくまで具体例であり、私たちが生きている世界においての様々なこと、全てが試験範囲であります。
ですので、単に塾のテキストだけやっていれば難関校に受かるわけではありません。総合的にどれだけの力があるか、が問われているわけです。
難関校対策④(中学受験)
第四章 論理的思考力
思考力とは、何でしょうか。簡単に言えば、自分の頭を使って考える力、論理的思考力とは、加えて論理的に理屈を持って考えられる力です。
ここで質問が多いのは、例えば算数の問題を解くことは頭を使って考えているのでは?というご質問。
確かに解くという行為は、頭を使っていると思います。しかし、例えば以下のケースではどうでしょう?
・以前似たような問題があったから、今回の問題も同じだろう。(そうとは限らない)
・今回の問題は、以前見た問題だ。だから同じやり方をすれば良いだけだな。(それはわからない)
・なんかよくわからない問題だけど、どうせこんな感じだろう。(例えば、三角形の問題で、見た目直角っぽいので、直角三角形として解いてしまう)
・答えは整数でないとおかしいから、こんな答えで良いのだろう。(誰も整数が答えとは言っていない)
・国語の問題で、普通常識で考えたら、この答えだから合っているだろう。(あなたの常識は聞いていない)
これらは全て、勉強をしているけど、頭を使って考えてない例です。
では、この点について、お子さんのご年齢で対策法を記します。
小学4年生以下のお子さん
まだまだ受験まで時間があります。一問一問に時間をかけて、何故この解き方で良いのか、他に解き方は無いのか、を検証するようにして下さい。国語理科社会ならば、アプローチの仕方です。何故このような答えになるのか。すぐ答えを見る癖は付けさせないようにして下さい。
小学5年生以上のお子さん
受験まで時間がありません。本当は、上記の事を行なって頂きたいですが、難しければ、基本の問題に立ち返る事をオススメ致します。
具体的には、小学4年生レベルにまで遡り、穴を無くしていくことです。小学4年生〜5年生の内容を理解、出来るようにしていけば、思考力はついていきます。
思考力をつけることで、読解力、今後お話しする整理力と合わせて論理的思考力が出来上がっていきます。論理的思考力が付けば、ありとあらゆる場面で、高いパフォーマンスが発揮出来ます。
難関校対策②(中学受験)
第ニ章 計算力
計算力とは何でしょうか。
多くの方が、早く計算が出来ること、と答えるのですが、それは違います。
早く、正確に計算が出来ること、これが計算力です。
例えば、1分で10題解いたとして、5題間違えていたらどうでしょう。
それならば、1分で8題解いて、全部合っていた方が良いに決まってますよね?
難関校の算数は、式が長くなる問題が多い=計算回数が多いということになります。どこか1箇所でも計算ミスをしてしまったら、その瞬間に×となり、点数・時間どちらも無駄になることとなります。二重にロスをすることとなるのです。
中学受験で最も番狂わせがあるのが、この計算間違い(計算力)です。本番は緊張も作用することで、計算間違いをしやすい環境となります。そのため、ほとんどの問題で計算間違いをすることも、ままあります。
ということは、普段から計算間違いをする子が、本番で急に計算間違いをしないことがあるでしょうか。普通に考えればあるはずがありません。
ですので、普段からスピード早く、しかも計算間違いをしない状態を作らなくてはなりません。具体的には、10問中、1問たりとも計算間違いをしない状態を作ることです。
今、計算間違いが多い子を持つお父様、お母様。まずは、ゆっくりで良いので、計算間違いをしないようにすることから始めましょう。スピードは後からつけていくことです。たとえ、模試等で時間が間に合わなくても気にしないでください。まずは、計算間違いゼロ。ここからです。
ちなみに、SAPIXの基礎トレは、計算力向上にはお勧めしません。計算だけに特化した問題集を使用して下さい。
難関校対策①(中学受験)
中学受験での難関校対策について、書いていきます。
ここでは、難関校とは偏差値約63以上(SAPIXでは偏差値約53以上)としておきます。大凡、御三家・筑駒・駒東・豊島岡+α(早慶含む)とお考え下さい。
第一章
算数の重要性
算数が中学受験の最も重要な科目であることは言うまでもないと思います。どの学校でも配点が高く(学校によっては理科社会各々50点に対し、算数100点)、その上最も差がつくのが、この算数です。
特に難関校ではこの傾向が顕著であり、学校によっては、数学が合格者平均(※)を超えていれば、他科目が受験者平均(※)程度でも受かってしまう、ということがあり得ます。
※合格者平均と受験者平均
合格者平均とは、その名の通り合格者の平均点。一方、受験者平均も同様に、受験者の平均点。受験者平均には不合格者が含まれているので、一般的に合格者の最低点よりも受験者平均の方が低い。よって、当然ながら全科目が受験者平均では、合格出来ない。
難関校でよく出題される論点は、
・立体図形・平面図形
・数の性質、場合の数、規則性
・速さ
ですが、複合問題もよく出題されます。例えば、表向き図形の問題に見えるが、実は規則性の問題が主である、といった具合です。
では、これら上記単元だけ行えば良いのか。答えは当然ながらNoです。
その理由を次回以降にご説明していきましょう。
この後、6つの力と自己肯定感というお話をしていきます。
難関校対策③(中学受験)
第三章 読解力
では、算数が重要なのはわかった、そして計算力が重要なのもわかった。
これで万全か?
いえいえ、まだまだ必要なことはあります。
そして、難関校だからこぞ、大変重要なポイントがあります。
それが読解力。
読解力と聞くと、国語のお話?と思われる方、多いと思います。
勿論、国語に直結するものではありますが、実は算数(理科、社会にも)にも大変重要な力なのです。
そもそも読解力とはなんでしょう。
問題文に書かれていることを、正確に読み解く力のことです。更に言うならば、問題文の意図していることを正確に読み取り、筆者(作問者)の言いたいことを客観的に理解する力、と言えると思います。
すなわち、自分勝手な想像をして、文章を読むことは許されません。
かなり多くのお子さんが経験されているのではないでしょうか。
「問題文の意味がわからない。」
私からすると、問題文の意味がわからないことはあり得ないのです。
しっかりとした読解力があれば、そうはならない(一部、思考力が必要な場合もありますが)。
では、その読解力をどうやって身につけるのか。
まず第一に文章に慣れることが必要でしょう。活字に慣れていないお子さんは(もしくはマンガばかり読んでいるお子さんは)、硬い文章を2行読むのも苦痛です。その状態では、どうやったって問題は解けない。よって、読書の習慣、子供新聞を読む習慣等文章を読む習慣を身につけましょう。例えば、読書ならば、最初は1ページでも構わないのです。少しずつ少しずつ読む量を増やして行ければ大丈夫です。最初は音読から、音読に慣れてきたら黙読を。基本的に音読で読めない部分は(つっかえる部分)は、黙読でも読めない部分です。音読で読めない箇所は、親御さんのお手伝い等により、解決していってください。
もう一つは、次章 思考力 の所でお話致します。読解力と思考力は繋がっている部分が多いのです。
地方の方が東京の人間に勝つには
東京での教育を地方にて行うことは可能です。何故なら、今は
①スカイプを通して、家庭教師の授業を受けられる会社が存在していること。
②市販の教材が整っており、塾などの教育機関での内容を補うことが出来ること。
③基礎からしっかり学んでいけば、むしろ東京の人よりも秀でることは可能であること。
が挙げられます。
①についてですが、とにかく地方には良い塾や家庭教師のセンターはありません。学力の高い先生や指導塾は東京や大阪などの都市部に集中しているためです。実際、私が所縁のある熱海市では、知っている限り有能な先生はおりません。塾はありますが、東京の塾とはレベルが違い過ぎます。東京の生徒さんと勝負するのに、武器が無さ過ぎます。
そこで、スカイプ(パソコンを通しての家庭教師の授業)の出番です。スカイプなら、東京の有能な先生の授業を個別で受けられます。何故なら、生徒さんも先生側も移動の手間が無いためです。つまり、地方にいながら東京の最先端の授業を受けられるのです。
東京の有能な先生がいるスカイプ指導塾(スカイプ家庭教師)はどこなのか。それは、次回以降ご紹介致します。
②についてですが、今はAmazonなどボタン一つでどんな書籍でも買える時代になりました。また、教材自体も種々様々なものが出ており、東京大学を含めた難関大学に向けての教材も揃ってきました。
よって、独学で出来る方ならば、どんな場所に住んでいる方でも、塾や家庭教師を使わずに市販の教材だけで十分に合格出来るようになっております。ただどの教材が良いのか、という情報だけは、間違わずに入手して頂きたいと思っております。どんな教材が良いのか。これは、大学受験ページにてご紹介しておりますので、ご覧下さい。
③についてですが、実は塾に行くことの弊害を説明しております。勿論、塾は様々なことを教えてくれますので、大変意味のある教育機関です。しかし、それはあくまで基礎がしっかり出来ている、もしくは基礎が自分でしっかり出来る方にとって意味があるということです。
塾はどんどん先に進みます。ですので、ついていけないままに授業を受けていても全く意味がありません。例えて言うなら、弱い地盤に大きな建物を建てても崩れるだけです。
そのため、地方の方は基礎を徹底させることを重要視して下さい。基礎力がしっかりしていれば、単に塾に行っている東京の生徒さんを軽々超えることは可能です。
以上、3点から、地方の方が東京の人間に勝つことは十分に可能と言って良いでしょう。